運痴の悲劇その2


日本人は謙譲を美徳としている。
それ故に自らを謙遜し、低く見せようとすることも多い。
テスト前に「私なんか全然勉強してへんし」
と言う友達の言葉を信じてはならない。
実際には、テスト前に母の目を盗んでマンガを読んでいたりするのは、
実は自分だけだったりするのだ(実話)

それと同じように「私なんて、どんくさいし」「運動神経、悪いねんか〜」
という人の話を聞くと、つい「フン!」と鼻で笑ってしまう私。
(心の中で)

“ウソツケ〜〜!!本当にそう思うなら私と勝負してみろ〜〜!”

そう、私は運痴・・・ 
それも「運動音痴全国大会」があるとすれば(ある訳ないが)
都道府県代表になれるんじゃないの!?
と自信と誇りすら持っている(?)
“キング オブ 運痴”なのだ!

高校は女子高に通っていたが、あまり厳しくない校風の中
体育教師は校則にうるさく、授業も厳しいため生徒達に恐れられていた。
私は校則を破るほどの根性も洒落っ気もない、ごく普通のいい子ちゃんだったが
体育は大嫌いだった。
だって、運痴なんだも〜ん♪

それは、高跳びの授業の時だった。
順番に1人づつ跳んでいくが、上手く跳べない生徒は
「なんで、こんなこともできないの!?フォームが悪い!!」
と容赦なく叱りとばされていた。

“なんでって言われても、できないモンはできないよな〜
 そりゃ努力もあるけど生まれつきの才能も絶対あるって・・・“
跳ぶ前からすでに心の中で言い訳をしている私。

そして、順番は回ってきた・・・

当然、失敗。
しかし、教師は私を叱らなかった。

「アッハッハ!そりゃ、おかしいって、○○(←私の本名)!!ヒャッヒャッヒャッ!!!」
とバカ笑いしている。

私のフォームがあまりにもおかしかったらしく
怒る以前に笑い出してしまったのだ。
(まだ、怒られる方がマシだったような…)

体育の成績は、とりあえず3が付いていた。
あれはどう考えても2だと思うのだが・・・

「あんたは、絶対ヒイキされている!」と友人にも言われていた。
どうやら、あまりのドンくささが体育教師の母性(父性)本能をくすぐり
私は可愛がられていた(?)らしい。

やはり運動音痴も極めたらホンモノになるのか!?
“運痴の奇跡”でした(笑)


(2002.6.7)


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